
変形してるから、膝が痛いの?

・年齢重ねると変形して、膝の痛みが出るんでしょ?
結論からいうと、変形したから膝が痛いということは全くありません。
たしかに、変形性膝関節症と言われると、変形のせいで膝の痛みが出ると思ってしまいます。
今まで常識のように信じてきたことが、実は違ったという5つの新常識を列挙しますね。
・軟骨がすり減っても痛みは出ない
・手術しなくても膝の痛みは改善する
・膝に水が溜まっても注射では抜かない
・サプリメントを飲んでも痛みは変わらない
あなたは上の5つの新常識を既にご存知かもしれません。
もし、驚かれたり疑問を感じたりしましたら、当記事があなたのお悩みを解決するお手伝いができます。
当記事では、変形性膝関節症と痛みの関係を中心に説明します。
膝の痛みを根本から改善するための、変形と痛みに関する情報が詰まった内容です。
ぜひ最後までお読みいただき、変型性膝関節症に関するお悩みがスッキリ解消されれば幸いです。
病院での診察は矛盾と限界もある
膝が痛くなってからまず始めは、整形外科の病院へ受診するかと思います。
病院へ行けば安心だと思っている方もいるかと思いますが、反対に危険も潜んでいるのでしっかりとお伝えします。
40代以上では3人に1人が変形性膝関節症の時代
少し衝撃的なデータがあります。

40歳を超えると、3人に1人が変形性膝関節症と言われます。
40代以上の方は3人に1人が、変形性膝関節症を患っているというデータです。
今後、ますます高齢化がすすむ日本は、2人に1人が変形性膝関節症という時代がくる可能性もありますね。
日本の変形性膝関節症(膝 OA)患者数(40 歳以上)を推定すると,X 線像により診断される患者数は 2530万人(男性 860 万人,女性 1670 万人)となり,膝 OA の有症状患者数は約 800 万人と推定される。
木藤,小澤,金村,(2016)理学療法学,第43巻,第2号,204-209
変形性膝関節症だと言われると、さまざまな不安や心配なことが出てきますよね。
・注射で水を抜いて筋トレもしているのに、痛みが変わらない。
・まだ我慢できる程度の膝の痛みだけど、将来を考えると不安になる。
・レントゲンで膝の変形が見つかったけど、できれば手術はしたくない。
・今後も人には介護をされたくないし、しっかりと自分の足で生活したい。
・膝の痛みが辛いけど、子どもの学費がかかるし、まだまだ仕事しなければならない。
このような心配はあなただけではないので安心してください。
変形性膝関節症の方はとても多く、多くの方があなたと同じように悩んでいます。
正しい情報と解決策が分かれば、膝の痛みは最速で良くなるため、しっかりとお力になれればと思います。
次に、一般的な整形外科の病院についてお伝えしていきます。
整形外科病院での診察の流れ
膝が痛いと、整形外科の病院へ行くことが多いです。
病院へ行ってからの流れは、5つの順番です。
問診票を書く
↓
診察を受ける
↓
レントゲンを撮る
↓
診断名を受ける
↓
治療する
以上、5つの流れをみると当たり前のような流れで、問題ないかと思ってしまうかもしれません。
しかし、矛盾と限界があり、病院だけでは解決できないことも多いのが実際です。
痛み・変形の症状と治療法の矛盾
病院での診察で、変形性膝関節症と言われた方は、3つのパターンに分けられます。
・痛みが強い+変形が大きい
・痛みが強い+変形が小さい
・痛みが弱い+変形が大きい
上の3つのパターンに対しては、大きく2つの治療法を勧められます。
2つの治療法は、内科的な治療(薬・湿布・注射)と外科的な治療(手術)です。
具体的に整形外科の病院では、どのような治療法を勧められるのかを説明します。
痛みが強い+変形が大きいパターンの治療法
痛みが強い+変形が大きいパターン→治療は手術を勧められる
痛みが強い、かつ変形が大きくて膝の動きもとても悪い。
その結果、生活での動きも困難になっている場合は、手術を勧められることが多いです。
多くの方はしぶしぶ納得して手術をする印象です。
「手術は嫌だけど仕方がないのかなあ。」
「変形が大きければ、痛みも強いはずだよな。」
などとおっしゃる方が多い印象です。
痛みが強い+変形が小さいパターンの治療法
痛みが強い+変形が小さいパターン→薬・湿布・注射で様子をみる
痛みが強くて病院に行きますが、レントゲンをとってみると変形が小さいことがとても多いです。
「変形が小さいのに、なんで痛いの?」
「膝の痛みの原因は年齢?筋力?体重?なんだろう。」
正直に言いますと、膝の痛みの原因がよく分からない場合は、年齢・筋力・体重のせいにされてしまいます。
痛みが弱い+変形が大きいパターンの治療法
痛みが弱い+変形が大きい→薬・湿布・注射で様子をみる
生活で膝の動きにくさを感じて病院に行くとします。
レントゲンを撮ると変形は大きくうつっていますが、痛みは少ない。
「変形が大きくて軟骨も減っていたら、痛みが強いはずじゃない?」
「変形の大きさと痛みの強さって関係ないこともあるのね。」
そうです。
変形の大きさと痛みの強さは関係ないのです。
痛みの強弱と変形の大小の関係はない
以上をまとめると、痛みが強い・弱いことと変形が大きい・小さいこととは関係ないということです。
そして、病院では痛み・変形の原因をはっきりと教えてもらえることは少なく、薬・湿布・注射をして様子をみるか、最終的に手術をするかのほぼ2択です。
ここで病院では膝の痛み・膝の変形・軟骨のすりへり、そもそも何をもって変形性膝関節症と診断するのか疑問がでますね。
次は病院で変形性膝関節症と診断するには、どのような基準があるのかについて説明します。
変形性膝関節症の診断に痛みは関係ない

驚いたな!変形が大きいから痛みも強いとは限らないし、変形が小さくても痛みが強いこともあるのか。

変形の大きさと痛みの強さが関係ないのは驚いたけど、変形性膝関節症ってなにをもって診断されるの??
変形が大きいからといって痛みが強いというわけではないとお伝えしました。
変形性膝関節症とは、なんのことを言うのかをしっかりと説明していきます。
まず、多くの方が知らない新事実です。
医学の変形性膝関節症の定義には、痛みの有無が書かれていない。
変形性膝関節症という診断名をつけるには、検査を行い確定します。
病院でお医者さんが最初に行う変形性膝関節症の検査としては、レントゲン検査(単純X線検査)です。
そして、レントゲン検査から診断する流れで一番使われる分類は、ケルグレンスローレンス(Kellgren-Lawrence)分類です。
(図と表を載せる)
変形性膝関節症は2つの検査項目で決まる
このケルグレンスローレンス(Kellgren-Lawrence)分類という変形性膝関節症の検査では、2つの項目をみます。
・関節の間の狭さ(骨の狭小化)
・骨のとんがり(骨棘)
あくまで、変形性膝関節症の医学的な項目は、関節の間の狭さ・骨のとんがりがあるかの2つだけです。
変形性膝関節症の検査からも分かるように、痛みがあってもなくても関節の間の狭さ・骨のとんがりがあれば変形性膝関節症といわれます。
骨の状態で変形性膝関節症と診断されるだけで、痛みの話は一切出てきません。
つまり、痛みがあるかどうなのかは、変形性膝関節症の診断と全く関係がないことなのです。
変形しているから膝が痛いというのはウソ

あなたの膝の痛みは、膝の変形が原因ですね。
病院では、レントゲンをみて「あなたの膝の痛みは、変形していることが原因です。」と言われますよね。
しかし膝の痛みの原因は、変形していることとは関係がないのです。

んっ?何を言っているんだ??
膝が変形してたら、結果として痛みが出るだろ。
先ほども、変形の大きさと膝の痛みの強さは関係がないことをお伝えしました。
「何言っているの?変形しているから痛みが出ているのは当たり前でしょ!」という声が聞こえてきそうです。
たしかに、変形すると骨と骨がぶつかったり、軟骨がすり減ったりして痛そうなイメージがありますよね。
これらのイメージも常識が作り出した間違ったイメージなので、あとでしっかり説明します。
もう一度、病院での診察の流れを確認します。
レントゲンを撮る
↓
診察で、変形しているから痛いのだと説明される
↓
変形性膝関節症と診断名がつく
このような流れを経験すると、やはり「変形しているから痛みが出ている」ということが頭から離れなくなります。
「変形しているから痛みが出ている」と思っているあなたにはっきりとお伝えしたい。
変形していても膝の痛みは出ません。
膝の痛みの原因は、変形とは全く別です。
軟骨や内側半月板がすりへっても痛みは出ない
・膝の変形の大きさが膝の痛みの強さとは一致しないこと。
・変形性膝関節症の診断が痛みと関係なくつけられること。
この2つの事実には、あなたも驚かれたかもしれません。

やっぱり変形したら痛みが出ちゃうんじゃないかな。
まだ、なんとなく信じられないなあ。

軟骨すりへったりすると、やっぱり痛いんでしょ?
まだ、変形と痛みの関係を信じられず、膝がすりへったり変形したりすることで痛みが出ると思っているあなたは、2つの組織が頭にあるのかもしれません。
・軟骨がすりへると痛みが出そう
・内側半月板がすりへると痛みが出そう
結論からいうと、軟骨も内側半月板もすりへって痛みは出ないです。
しっかりと順番に説明していきますね。
軟骨が痛みを感じない理由
軟骨は、すりへると痛みが出そうなイメージがありますよね。
実際にテレビや雑誌で、軟骨がすりへると膝の痛みが出ると言われることが多いです。
しかし、軟骨がすりへっても削れても膝の痛みは出ないので安心して下さい。
では、なぜ軟骨がすりへっても痛みが出ないのでしょうか。
その理由は、膝の軟骨には痛みを感じるセンサーがないためです。
具体的には、軟骨には神経・血管・リンパ管が通っていないことが理由です。
もしあなたが、膝の軟骨がすりへることで膝の痛みが出ていると言われたら、信じないで大丈夫ですよ。
整形外科学の文献
内側半月板がすりへる理由
軟骨がすりへっても痛みが出ないことは分かりました。
では、内側半月板はどうでしょうか。
もしかしたら、内側半月板ってなんなの?と聞いたことがない方もいるかもしれません。
先に、なぜ内側半月板がすりへるのかを説明しますね。
日本人は、O脚になりやすいと言われます。
O脚とは、膝が外に開いてしまう変形になることです。
実は、変形性膝関節症では、このO脚の変形が多いのです。
膝が外に開いてしまうO脚の変形がすすむことで、内側半月板がすりへるのです。
補足として、もう少し具体的に説明していきます。
膝の関節は上が大腿骨で下が下腿骨で出来ています。
大腿骨と下腿骨の間には半月板というクッションがあり、内と外で内側半月板と外側半月板というクッションに分かれています。
何らかの原因で、膝が外に開くと大腿骨と下腿骨の内側に圧迫がかかる。
内側に圧迫がかかった結果、内側のクッションである内側半月板がすりへります。
図でも表示
内側半月板が痛みを感じない理由
内側半月板は感覚の研究で、無痛か軽度不快レベルの感覚しかないとされています。
Dye SF氏らが平成8年に行われた研究をもとに嶋田誠一郎氏氏が改訂した図から引用しています。
膝の周りで特に痛みを感じにくい部位は、軟骨に次いで内側半月板といえます。
軟骨や内側半月板がすりへったり傷ついたりすると、痛みを感じやすそうイメージがなんとなくありましたよね。
実際は、痛みとは全く関係がないため、もし軟骨や内側半月板のせいで痛みが出ていると脅かされていたら安心してください。
手術で痛みが取れることは少ない
もし、変形しているせいで膝の痛みが出ているのであれば、手術をすることで膝の痛みが治るでしょう。
しかし、膝の痛みが出ていることが、変形と関係がないならば、手術しても痛みが取れないと言えます。
想像していただきたいのですが、もしあなたが手術を決心したとします。
手術をした結果、痛みは取れておらず、手術で傷ついた膝は動かしにくくなってしまう。
脅かすわけではありませんが、手術で人工膝にすると一生そのままです。
手術が必要な人だけ、手術を受けていただきたいと私は思います。
しかし、手術が必要でない、むしろ後遺症の危険が高いのに、手術を受けてしまう人が減ってほしいと強く願っています。
あなたが痛みでお悩みなら、手術が必要ないことが多いですし、当院なら改善のお力になれると確信しております。
本当に手術が必要か不安が大きいという方は、ぜひ一度当院で見させていただければと思います。
手術を受ける前に医師に確認すること
本気で手術をお考えなら、担当医を信頼しているからという理由だけでお任せすることは危険です。
こんなはずじゃなかったのに、と泣き寝入りをされている方も多くいらっしゃいます。
そのためにも、手術前に気になることはしっかりと聞いて納得するべきです。
ざっくり以下のことは、担当医に確認することをおすすめします。
・手術後は入院する可能性があるか?
・手術後は最悪どのような状態になるか?
・手術後は何ヵ月で完全な状態になるのか?
・手術で完全な状態に治っても出来ないことはあるか?
・再手術の可能性があれば何年後くらいで考えているか?
他にも心配事や不安事はなんでも聞いた方がいいです。
当院もそうですが、医療者やセラピストはなんとかあなたの力になりたいと思っています。
もし、こんなこと聞いてもいいのかな?ということも全部聞いて解決した方が早く良くなります。
手術が必要のない方が多い一方で、本当に手術が必要な方だけに行われますことを祈っております。
痛みと変形の本当の関係
・変形の大きさと痛み強さが相関しないこと
・軟骨や内側半月板の変形があっても痛みが出ないこと
・変形性膝関節症の定義には痛みが含まれていないこと
つまり、変形のせいで膝の痛みが出ているのではないということが分かったかと思います。
そして、嬉しいことに膝の痛みが改善することはもちろん、変形も予防できる可能性が高いことも分かってきました。
次は、本当の変形と痛みの関係性についてお伝えして、どのように変形の予防をし得るのかを説明します。
「痛いから変形した」が正しい
変形したから痛みが強くなるのではなく、最新の医学から考えると、痛みが原因で、結果として変形をすると言えます。
◯ 原因:痛み → 結果:変形
はじめて聞いた方は理解することが大変だと思いますが、とても大切なのでしっかりと説明していきます。
まず、痛みと変形の流れをまず示します。
痛み
↓
守るように筋肉が硬くなる
↓
痛みを避けるように動く
↓
骨がずれて、最後は変形する
痛いというのは警告で、からだが守るように反応します。
痛みから守る働きとして、筋肉の防御性収縮という生理学的な反応があります。
さらに、生活での動き、例えば、立ち上がる・歩く・階段の昇り降りでは、痛みを避けるように動きます。
例えば、
右足に体重を乗せると右の膝が痛いから引きずってしまう
というような痛みを避けるような動きになるのです。
このような偏った動きが日常化してしまうと、偏った動きに合わせてからだが対応してくれます。
その結果、からだの最終的な対応として変形するのです。
こうみると、変形は痛みをかばった結果であるので、実は悪いものではないことが分かりますね。
むしろ頑張ってくれた結果で、自身のからだには感謝したいくらいかもしれません。
膝の変形の原因は膝以外の場所の痛みのこともある
もし膝の変形があるなら、膝だけの問題だと思ってしまいがちです。
確かに、変形の場所がハッキリしていれば、その場所が問題だと考えてしまいそうです。
しかし、実際は膝の変形は、膝の痛み意外にも腰痛が原因のことが多いのです。
腰痛が原因で膝の変形が結果としておこる理由は、腰と膝がペアになって動くためです。
腰と膝の関係はとても深いのですが、腰痛が原因で膝の変形になることの一例を挙げます。
例えば、立ち座りをする時に、膝が曲がったり伸びたりします。
膝が曲がったり伸びたりすることと同時に、腰も曲がったり伸びたりします。
もし、腰痛があり腰の周りの関節や筋肉の硬さがあると、上手く腰が動きません。
腰が動かないと、立ち座りで膝に負担がかかり痛みに繋がるのです。
腰痛
↓
腰が動かない
↓
膝の負担が増える
↓
膝の痛み
↓
痛みを避けるように動く
↓
膝の変形
このように、腰痛が原因で膝の変形がおこる方も多いです。
膝の変形を予防して手術を回避する
変形したら手術しかないと諦めそうになっていたあなたも、まだ間に合います。
膝の変形は結果としておこるため、原因を改善できればその結果も変わります。
もし、原因が腰痛であれば、腰痛を改善することで結果として変形がおこりにくくなることが考えられるのです。
そもそも腰や膝の痛みがなければ、痛みに対応して骨が変形する必要がなくなります。
つまり、腰や膝の痛みの根本原因を改善できれば、変形も予防できて痛みに悩むことがなくなります。
立ち座りも階段の昇り降りも長距離歩くのも怖くなくなれば、諦めかけていた旅行やスポーツも自由に出来るようになります。
一つ重大な疑問として、痛みの原因はなにかということです。
変形性膝関節症の根本原因とも言える痛みの原因を、しっかりと知る必要があります。
痛みの原因は、年齢でしょうか?体重でしょうか?筋力でしょうか?
結論は、どれも原因とは言えません。
膝の痛みの原因については、とても濃い内容になりますので、次回の記事で説明します。
次回の記事は、「痛みの原因」を始め、改善方法までしっかりとお伝えします。
まとめ
当記事をお読みいただきありがとうございます。
・変形が大きいから痛みが強いという関係はない
・変形性膝関節症という診断には痛みに関する項目はない
・軟骨と内側半月板が傷ついても痛みを感じることはない
・痛みが出るとその痛みを避けて対応するために変形がおこる
・変形は予防でき、痛みの根本原因が分かればしっかり改善する
変形性膝関節症の多くの方は、変形しているから痛みが出るという少し古い考えをお持ちです。
そして、膝の痛みの原因は変形だと思い込んで、苦しんだ結果、手術をします。
繰り返しお伝えしている通りで、膝の痛みの原因は変形ではありません。
そのため、せっかく勇気を出して手術をしても痛みが取れないという悲しいことになってしまいます。
当院は、このような必要のない手術をしなくて良いように、変形性膝関節症について正しい情報をお伝えしたいです。
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あなたの膝に関するお悩みに、精一杯の対応をさせていただきます。
どうぞよろしくお願い致します。