【宇都宮で脊柱管狭窄症の専門】神経の圧迫では痛み・しびれが出ない
以前の記事、脊柱管狭窄症について網羅的にお伝えしたもの【手術は必要ない】と【脊柱管狭窄症では痛み・しびれが出ない理由①】【脊柱管狭窄症では痛み・しびれが出ない理由②】で脊柱管狭窄症についてご覧いただいた方はありがとうございます。
当記事の【脊柱管狭窄症では痛み・しびれが出ない③】では、さらに踏み込んだ話になりますので、理解しにくかった内容は当院にお気軽にご相談ください。
神経の圧迫と痛みの関係について
痛みの神経が通るのは感覚神経だよね?ってことは、感覚神経が通る後根が圧迫されると、なんとなく痛みが出そうだけど。
お客様からこのような鋭い質問をされることがあります。
確かに、2つの神経根のうち1つである後根には、感覚神経が走ります。
この感覚神経には、痛みを感じる痛覚神経も通ることも間違いないです。
脊柱管狭窄症で、この痛覚神経を圧迫されたら痛みが出ないのか?と疑問が出る気持ちはよく分かります。
しかし結論をいうと、痛みが出ません。
痛覚神経がもし圧迫されると、痛覚神経の通り道がふさがれるため、反対に、痛みを感じなくなります。
痛みが出るどころか、痛みを感じなくなるような感覚麻痺になるのです。
これは、言われてみれば納得しやすいかもしれません。
そもそも、神経を圧迫すると、なんとなく痛そうなイメージはないでしょうか?
しかし、圧迫されても痛みが出ないのには理由があるため、説明しますね。
神経の圧迫だけでは痛み・しびれが出ない理由
神経は、電気のコードのようなものだと例えられます。
つまり、圧迫には強いのです。
圧迫に強いと言われても、よく分からないかもしれませんので、想像してみて下さい。
例えば、テレビのコードや携帯電話の充電コードなどを、私たちの全体重を乗せて踏みつけても、テレビは観られるし携帯の充電も続けられますよね。
コードと同じように、脊髄の神経は特に強くて、圧迫されて簡単に切れたり傷ついたりしてしまうことはありません。
神経が傷つくほど圧迫されると痛みが出るってホント?
まず結論は、傷つくことは稀で、痛みも出ないことがほとんどです。
神経が傷つくことで痛みが出るということは、脊柱管狭窄症ではよく言われます。
その理由は、医学的な研究から、異所生発火という説明をされることが増えたからです。
異所性発火とは
神経根が圧迫されて傷がつくと、そこから異常に神経の伝達がおきて痛みを出してしまうこと
異所性発火と呼ばれる痛みは、坐骨神経痛と呼ばれるような、おしり〜ももにかけて出ることが多いと言われます。
ただ、結論から言うと、神経が傷つくことは稀ですし、もし傷ついても異所性発火と呼ばれるような痛みはありえません。
つまり、坐骨神経痛と呼ばれるような、おしり〜ももにかけての痛みが、神経の傷や異所性発火が原因にあることはないです。
私は、異所性発火を3つの理由から明確に否定しており、しっかりと説明していきますね。
異所性発火を否定する3つの理由
・異所性発火は何ヵ月も続かなずに一時的なため
・神経根が傷ついてしまうなら、感覚麻痺や運動麻痺も起こるため
・異所性発火での痛みは、神経が傷つくから生じるわけではないため
異所性発火とは、神経が傷つくことで、そこに痛覚センサーがなくても勝手に興奮してしまうことです。
1ヵ月2ヵ月と、さらにそれ以上の月日に渡り痛みが続いているならば、異所性発火という異常な興奮がずっと続いているとは病理学・生理学の視点から考えられません。
しかし、坐骨神経痛をはじめ、おしり〜ももの痛みで1ヵ月以上苦しまれているという方が多いです。
この痛みの出方だけ見ても、異所性発火という考え方には疑問が出てきます。
神経根が傷つくなら感覚麻痺や運動麻痺も起こる
神経根が傷つくと痛みが出るとは言われますが、明らかに疑問な点があります。
既にお伝えしたように、神経根は前根と後根の2つでなっています。
この前根は運動神経が通り、後根は感覚神経が通ります。
神経根が傷つくと、運動神経も障害されて足に力が入らない症状が出たり、感覚神経も障害されて触った感覚が分からなくなったりしておかしくありません。
それにも関わらず、神経根が傷つくと痛みが出るというように、痛みだけが無理矢理に結びつけられることはありえないことです。
神経の問題と言うのであれば、必ず、感覚や運動と合わせて痛みを診る必要がありそうです。
異所性発火での痛みは脊髄後根が傷つくから生じるわけではない
そもそも異所性発火とは、神経が圧迫されて傷がつくと、そこから異常に神経の伝達がおきて痛みを出してしまうことです。
しかし、異所性発火と言われている研究をみてみると、神経が傷つくことで痛みが出るとは言っていない研究が多いです。
多くの動物実験を無駄にしないためにも、理論的には否定されている異所性発火説をまだまだ唱えているのかもしれませんがことは問題かもしれません。
神経が傷つくことで痛みが出るわけではなく、神経が圧迫を受けることで、後根神経節(知覚神経節)と呼ばれるセンサーが反応しやすくなっていることが言われています。
後根神経節が反応しやすくなると同時に、炎症も起こしやすくなる。
後根神経節の炎症が痛みに関係あるのではないか?という考えが主流になっていました。
異所性発火 | スイッチがないのに勝手に反応する |
後根神経節 | スイッチを押されると反応する |
異所生発火と後根神経節は全く別もの
以上から、異所性発火と呼ばれるような、神経が傷つくことで、勝手に神経の伝達がおきて痛みが出るようなことはありえません。
そのため、もし、神経が圧迫されて痛みが出ていると脅かされてしまったあなたも、全く別に原因があることが多いので、安心して大丈夫です。
まとめ
脊柱管狭窄症では神経が圧迫されて、痛み・しびれが出ると言われてしまいます。
しかし、それは全く間違いで、科学的に否定されつつあります。
脊柱管狭窄症は、手術をしなければ治らないものかと思っていた方も、当院の記事を読んで諦めないでいただきたいです。
さらに、つらい痛み・しびれの本当の原因を見つけて、一緒に改善を目指していけると嬉しいです。
脊柱管狭窄症について網羅的にお伝えした記事:【手術は必要ない】
脊柱管狭窄症について前回までの記事:【脊柱管狭窄症では痛み・しびれが出ない理由①】【脊柱管狭窄症では痛み・しびれが出ない理由②】
脊柱管狭窄症と言われる症状は、本当につらく、一定数は手術が必要な状態もありますが、ほとんどの方が手術は必要なく改善します。
つらい症状は当院にお気軽にご相談いただき、しっかりとお話を伺ってまいりたいです。